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日差しの強い午後。涼しげな木陰に入って、俺は珍しく人を待っていた。
普段は、あまり待つほうではない。なんたって、押しかけたほうが早いから。
ただ、あいつがここに居たほうが早い、なんて脅しをかけるから―。
「イシュ!お待たせ。」
そこまで考えて、待ち人の声に、イシュことイシュ・ホンフーが顔を上げる。
「おせえよハニ・・。俺もう結構な時間待ってるんだけど?」
呆れ顔をする彼に手を合わせるのは、昔なじみであるセイレーン。
今日の待ち人、ハニエル・セルリアンである。
「ごめん。ちょっとだけ長引いちゃって。」
「へいへい、いーけどさ。」
適当にあしらって、ほれ、と水の瓶を放った。
珍しく昼間の余興に呼ばれた彼は、相当汗をかいているはずだ。
「ありがと。助かる~」
笑顔で受け取って、ハニエルは木陰に座り込んだ。
「おま、衣装じゃねえの?」
「あ?え?ああ、これ?いいよ。」
ケロっと言って、水の瓶を飲み干しにかかる友人に苦笑する。
俺も座るかなあ。なんかこんな単純だと、立って待ってたのがアホらしいじゃんか。
「んで?約束のブツは?」
「貰ってきたよ、ちゃんと。」
そう言って、手荷物から何かを漁ったハニエルが「はい」と綺麗にラッピングされた包みをよこした。
中身を開いて、思わず口元がにやけてしまう。
「貴重だよなあ♪」
「そう?」
「おま」
「まあ、いいじゃん。好きなら。」
今日はこのためだけに、炎天下、こいつを待っていたのだ。
お貴族様の庭園で歌えるこいつに頼んで、これを貰うために。
大事に手に乗せた包みの中には、薔薇の実と花びら。それに、色のついた石がいくつか。
「貰うの、けっこう苦労したんだよ、って聞いてる?」
「きーてるきーてる。サンキュ、ハニ。」
だめだこりゃ、と諦めの声が聞こえてもなんのその。
薔薇の実には、ちょっとした想い出があるのだ。
懐かしい、小さな少女の―。
薔薇の実は加工品しか見つけられないため、庭園の余興に呼ばれたハニにわざわざ頼んだ。
色のついた石―ほんとうに、色がついただけのただの石だ―も、一緒に。
「・・・お腹すいたなあ。サンドイッチ貰ったんだけど食べる?」
「お前食えば?俺いらね」
「そう」
なおも顔をあげないイシュに見切りをつけ、ハニエルがサンドイッチを頬張りはじめる。
「こうなるとイシュは長いよねー」
「ほっとけ」
食べながら喋るハニを適当にあしらいながら、ひたすら見る。
粒をひとつひとつ確認して。
そして。
「ありゃ?」
気付けば、食い終わった姿勢のまま木にもたれて寝息を立てるハニエルの姿があった。
さっきまで普通に声がしてたと思ったのは、気のせいか?
膝の上にはきっちり食べ終わったサンドイッチの包みだけが乗っている。
「食い終わったら寝るって・・・・お前は赤子かよ。」
呆れた溜息をつきながら、揺さぶってみるが、こいつ寝るとなかなか起きないんだよなー。
少し人は少ないとはいえ、往来の、しかも地べたに座ったまま寝てるってどうよ。
更に、セイレーンであるハニエルは目立つのだから始末が悪い。
「なあ、ハニ!!起きろって!!!」
「ん~」
返事しか返らず、目は寝てる。
器用だな、おい。
・・しょうがない。ちょっとだけ付き合ってやるか。
手荷物から、持ってきていた本を開いて、イシュ自身も木にもたれた。
木陰の下を、少しだけ冷たくなった風が吹き抜けてゆく。
まったく、読書にもってこいの季節だが、如何せん気温と日差しが強いのは難点だ。
「30分で起こすからな、ハニ!!」
隣にそう叫んでおいて、文字に目をうつした。
まったく、世話が焼ける。
+END+
つうことで、思いつきで書いたら、やっぱりイシュが苦労してるぞ、っと。
ちなみに、私も今日やりました、これ。
所用で歌いに行ってたんですが、終わったときには物凄くお腹すいてて。
食うだけ食ったら、車の中で 母 と 会 話 し な が ら 寝 て た 。
せっかくだからネタにしてみました★(おい
しかしイシュが出るとやたら清らかだな。
彼は良い奴なんです、意外と。
口が悪いだけで(笑)
ちなみに普通に本も読みます。案外読書家。
一応紋章術師だしね(笑)
彼がガラにも無く薔薇の実なんかを喜ぶのは過去、いい思い出があるからです。
いつかこいつの過去も書けるといいな。
現在ハニさんの過去とジェイドとの出会いを目下執筆中です。
他にも書きかけイロイロ・・・。
お待たせしてる関係者の皆様、ごめんよ(苦笑
首を長くしてくれると嬉しいな(笑←こいつ最悪
ちなみにこの後、きっちり30分でイシュがたたき起こすまで、ハニは爆睡しましたとさ★
往来の木陰で寝れるとは、こいつもなかなか。
相手がイシュなのでまだよかったようなものの。
勿論、後で彼から「1人で寝こけるな」と厳命されるのは言うまでも無く(笑)
彼らは本当にいい意味でも悪い意味でも「悪友」です。
お互い様、ってね(笑)
以上、背後の呟きでした!
ここまで読んでくださった貴方に、感謝を込めて。
背後@海月(そういや私HNここに書いてなかったな、と今思ったんで書いて見た。ではではまたノシノシ)